愛媛県の道後温泉には、皇室御用達の浴室である「又新殿(ゆうしんでん)」があります。
今回、運良く又新殿を拝見することができましたので、その様子をお伝えいたします。
道後温泉 又新殿とは?
「又新殿(ゆうしんでん)」は道後温泉本館にある、全国で唯一皇室専用浴室を有する重要文化財です。
観覧料金は大人270円 小人130円で、ガイドさんの案内が付いて朝9時から17時まで見ることができます。
又新殿 御成門
御成門(おなりもん)は、皇室専用の玄関で、御訪問の時だけ開かれます。
御成門の屋根は、下から「軒唐破風(のきからはふ)」「千鳥破風(ちどりはふ)」「起り破風(むくりはふ)」でできています。
鬼瓦も三段になっていて、下から「龍」「鳳凰」「湯玉(ゆだま)」です。
観覧者は受付を済ませた後、時間が来るまで待合所(御成門の裏側)で待つことになります。
待合所は完全に外で冷暖房もないため、寒さ(暑さ)対策をしてください。
又新殿 御居間
御居間(おいま)は、入浴前にくつろいだりする場所で、砥部焼きの手焙り(てあぶり)、菓子器などが用意されています。
障壁に描かれているのは、鵤(いかるが)と鴲(しめどり)の絵です。
ふすまの奥が「玉座の間」です。
又新殿 玉座の間
玉座の間(ぎょくざのま)は、天皇のみ使用することができる部屋で、金箔地に鳳凰、菊、桐の絵が描かれています。
昭和25年3月19日に昭和天皇が利用されたのが、最後です。
薄鴨居(かもい)にも湯玉をモチーフにした飾りつけがされています。
階段で1階におります。
又新殿 洞の間
洞の間(どうのま)は入浴前の前室です。
又新殿 御湯殿
御湯殿(おゆどの)の湯釜には、庵治石(あじいし)が使用されています。
宝珠に彫られた「健歩如故(けんぽもとのごとし)」という文字は、小松宮彰仁殿下の御真筆を浮き彫りしたものです。
小松宮彰仁殿下が最初に入浴されたのが明治33年6月17日で、常陸宮正仁殿下が最後に入浴されたのが昭和27年4月3日とのこと。
又新殿 御厠
御厠(おかわや)は漆塗りの和式トイレ
多くの皇室の方々が又新殿を御訪問、御来浴されたが一度も使用されたことがない貴重なトイレです。
ちなみに右側が前で、着物の裾を後ろにかけて使うとのこと。
御厠の入口にある手洗い場
道後温泉本館は現在改修工事中ですが、入浴はできます。
日本で唯一の皇室専用浴場、道後温泉へ旅行の際はぜひお立ち寄りを。
事前に予約が必要ですが、当日空いていれば、予約なしでも観覧することができます。
お読みいただたき、感謝いたします 🤗